はじめに
PLCやシーケンサーという言葉は聞いたことはあるけれども、実際に触ったことがないという人は多いとおもわれます。
「リレースイッチを動かして何かをするみたいなんだけどもよくわかない」と言う人も、
実機を触ってみればナルホドと動作や原理を理解することができるのですが、
「実機が揃った環境がない」
「何から始めたら良いかわからない」
という方のために【PLC超入門】として、Amazonで5,000円以下で販売されているPLCを動かして、PLCの世界の入り口を垣間見てみましょう。
多少の電気配線の知識と工具が使えれば、大抵の方はPLCの楽しさを味わっていただけると思います。
100Vの電源を使いますので、扱い方を間違えると甚大な被害を被る場合があります。
機器の取り扱いには充分注意しておこなってください。
電気工事士資格が不要な「軽微な工事」の範囲内でできる内容としているつもりですが、もしこれは「軽微な工事」の範囲を超えているのでは等の疑問点がございましたらメールにてご指摘いただければと思います。
PLCとは？
Programmable Logic Controller
リレースイッチを、ラダー・ダイアグアム(LD言語)と呼ばれるプログラムでコントロールして、接続されている機器の動きを制御します。
シーケンサーという名前を聞かれたこともあると思いますが、シーケンサーもPLCも同じものです。
シーケンサーは三菱電機が販売するPLCの商品名です。国内でのシェアが大きかったのでシーケンサーがPLCの同義語として使われるようになりました。
最近では、WindowsやLinux等のOS上で、LANネットワーク上のセンサーや機器を使ってソフトウェアで動作する仕組みが採用されています。
BECKOFF社 TwinCATは、Windows上で動作し開発環境はVisual Studioが利用できます。
しかし、単純な回路では旧来のPLCが使われています。
このあたりは、詳しく説明しているサイトが沢山ありますので、そちらを参考にしてください。
激安PLCとは？
Amazonで販売されている、激安PLCの多くはFX1Nという古いモデルのCPUを使っています。
FX1Nは三菱電機のシーケンサーにも2008年頃まで使われていましたので、三菱の開発環境GX-Works2を利用することができます。(GX-Works3はFX1Nは未対応です。)
業務に使うには耐久性や耐ノイズ性等のリスクはありますが、趣味や初歩の学習に使うには充分ではないでしょうか。
動作イメージ
センサー#1と#2の間を試料が通過している間だけ、リレーを接続します。
今回は出力Y1に5Vを出力します。
まあ、「こんな感じの動作を目指している」ということだけを、ぼんやり理解していただければよろしいかと。
使用する機材
機材はなるべく入手しやすいものを使っています。
ほとんどAmazonで入手することができました。
PLC
SEAFRONT PLC産業用プログラマブル制御ボードFX1N-14MRリレーコントローラーモジュール
CPU：FX1N
電源電圧：DC24V
入力ポイント：8
出力ポイント：6 (リレー出力)
記憶容量：8000 steps
通信設定：RS-232C 9600bps
PLC本体はリレー出力であれば別になんでも良いのですが、値段とポイント数でこの機種を選びました。
電源 (DC24V)
PLC本体の電圧はDC24Vなので、AC100VからDC24Vへ変換する、AC/DCコンバータを使います。
スイッチング電源 AC DC コンバーター 24V 5A 直流安定化電源 変換器 変圧器 電源スイッチ 安全保護 回路 装置 (5A 120W)
入力：AC100V～240V
出力：DC24V 5A (120W)
5Aもいらないですが、この後何かに流用することも考えて5Aにしました。
PLCを動かすだけだったら2Aでも大丈夫だと思います。
シリアル通信ケーブル
PCとPLCを接続してラダープログラムを、PLCへ書き込んだり、PLCから読み込んだりするためのケーブルです。
接続時にはリバース(PC:TXDーPLC:RND、PC:RNDーPLC:TXD)に接続します。
DTECH USB TTL シリアル 変換 ケーブル 3.3V 1.8m PL2303 チップセット 4ピン 2.54mm ピッチ メス コネクタ USB TTL シリアル コンバーター ケーブル Windows 10 8 7 XP Vista Mac
アクセサリ用電源 (DC5V)
センサーやトリガー出力用の電源です。
DC24VからDC5Vへ変換する、DC/DCコンバータです。
モーター等を駆動するわけではないので5Aで充分ではないかと思いましたが、DC24V電源が120Wと余裕のあるものを選択したので、他に流用することを考えたら10Aにしておけばよかったかもしれません。
dcdc コンバータ DC 12V 24V → 5V 5A 25W 直流電圧 変換器 変圧器 トランス 防水電源 トラック/車両/ボート/ソーラーシステムなど （DC 8-40V入力を受け入れます）
センサーモジュール (IR赤外線センサー)
構造が簡単で扱いやすいので、センサーはこれにしました。
安定感はいまいちだし、日光が当たったりしたら機能しないし、感知ボリュームはシビアだしと癖が強いです。
ちなみにボリューム調整には、2.5のマイナスドライバが必要です。
KKHMF 5個 IR赤外線障害物回避センサモジュール 3線式反射光電スイッチ Arduinoと互換
その他
AC100Vの電源ケーブル これはデスクトップパソコンについていた電源ケーブルを切って使いました。
工具 テスター、ロックタイ、プラスドライバー、#3マイナスドライバー、#2.5マイナスドライバー、細専用電工ペンチ、コネクタ
ブレッドボード
あったら便利というものまで入ってますので、ご自身の判断で揃えてください。
あとがき
今回はここまでにします。
次回はPLCに電源を接続して、動作確認をしてみましょう。